半年以上ぶりの更新でしょうか、温玉と申します。
今回は『仮面ライダーオーズ 復活のコアメダル』の感想を“ネタバレ有”で語っていくという内容になります。
私はあまりこういった創作物の感想を動画やらブログやらにまとめることはほぼないのですが、そんな私を動かすほどにこの映画には非常に思うところがありました。
まず前提として、私は「仮面ライダーオーズ」の作品を「復活のコアメダル前日譚」以外は履修しています(TV本編、登場する劇場版、小説)。
前日譚については、『復活のコアメダル』視聴後にとあるルートで内容を把握しました。
その上でこれから色々と触れていこうと思います。
共感した、いーや私はこう思うよ、ってのがありましたらリプやらDM頂ければ幸いです。
映画を見て一日経った後の結論としては、
「この作品を『オーズの完結編』として受け入れるのは困難である」
に落ち着きました。
とりあえず良かった点から述べますね。
「戦闘シーンがかっこいい」
「(真木博士を除き)オリジナルキャスト勢揃い」
「俳優陣の演技が素晴らしい」
これに尽きます。
戦闘シーンは語ることなし。素晴らしかった。
キャストに関しては、10年経った作品で主人公やヒロイン、サブキャラクターまで主要となる人物が勢揃いするのはこれまでの仮面ライダー作品でもあまりないのではないか。
演技についてはグリードは当時のまま、その他メインキャストは本編の10年後と言われてもなんの違和感もない雰囲気を演じており、非の打ち所がなかった。序盤の火野映司を演じるゴーダを演じる渡部秀氏(ややこしい)は特に。自身がゴーダであることを明かすまでのあの不気味な感じは、むしろ私に「映司ってこんな感じだったか…?ジオウ以来だから忘れちゃったのかなぁ…」と思わされるほどの名演技だった。
といった感じです。
これだけ良かった点があってなぜ完結編として相応しくないと感じるか、その原因は
「内容」
この一つでしょう。
真っ先に言えることは「映司が死ぬ」という展開は『仮面ライダーオーズ』のこれまでの流れを汲んでも考えられない選択肢の一つだということ。
火野映司という人物はTV本編やその以前から多くの人を救いたい、自分の命は二の次で自分を犠牲にしてまでも人を救いたい。それが可能な程どこまでも届く腕、力が欲しいというとても大きな欲望を持っていました。
しかし本編中でアンクや比奈ちゃん、知世子さん、伊達さん、後藤さんらとの関わりを通じて、仲間と手を繋げばその手はどこまでも繋がっていくということを理解しました。
そんな映司が、あの少女を助けられなかったと同じような状況に陥り、少女を庇って、目の前の命を救えたことに満足して死ぬ?
本編中の映司なら確かにこのような展開があっても違和感はない。
ですがこれは「本編後の『完結編』」ですよね?
様々な出来事を乗り越えた映司の結末としてはどうも納得が行きません。
そしてこれはメタな視点にはなるが、いくらなんでもアンク復活に繋げるためには重すぎる展開ではないでしょうか?
残る不満点もあげましょう。
どう考えてもこの映画は「尺不足」です。
800年前の古代オーズが復活、グリードも復活し人類は滅亡の危機を迎える。映司は古代オーズの前に倒れ、ゴーダが憑依することでその体を維持している。アンクは映司の死直前の願い(?)によって復活し、グリードのコアメダルを吸収した古代オーズをゴーダとコンビを組んで撃破。ゴーダはアンクたちを裏切るも映司とアンクの最後の共闘で撃破。ゴーダを失った映司はそのまま息を引き取る。
むしろよくこの内容を60分でねじ込んだなとも思いました。しかし、やはり足りないです。
グリードの主な戦闘シーンはウヴァくらい、せっかくオリジナルキャストを登場させたのにも関わらずすぐに古代オーズが吸収してしまうのは勿体なくね…?
もっと簡単に言えば、
メズールの人間態をもっと眺めたかった。
これは二の次で、単純にグリードのシーンが少なすぎるだろというのが率直な感想です。
後はバースたちをもっと目立たてせてもいいんじゃないか。
それこそ復活したグリードを伊達バース、後藤バースXが再度撃破する、なんて流れがあっても良かったんじゃないか。
そして設定についても。
オーズドライバーどんだけあるの…
古代オーズのオーズドライバー、ゴーダのオーズドライバー(これが元々のオーズドライバー)、タジャドルエタニティのオーズドライバー。
3つ!?
オーズドライバーって800年前にそんな量産された訳でもなければなんか増える訳でもないよね!?
さらにもう1つ気になったところ。
映司は死に、ゴーダの憑依によってその体を維持出来ていることを知った直後、TV本編最終話を思い出させるようなアンクと比奈ちゃんの会話シーンについて。
世界めちゃくちゃなんだよね?なんか後ろの夜景我々が生きている日本で見られる夜景とそんな変わらないんだが…?
これらが、私がこの映画を見て生じた大まかな疑問点です。
もちろん感想は人それぞれで、面白かった!という人を否定するわけではありません。
ただ、私はこんな終着点以外にもアンク復活という今回のテーマを描く方法はあったのではないか、と思います。
つい熱くなってかなりの量になってしまいました、ここまで目を通してくださった方、ありがとうございました。